はじめに

この授業ではプログラミングの勉強をします。プログラミングとはプログラムを作ることです。プログラムとは、コンピュータに対して何をどのように実行するかを事細かく命令の形で書いたものです。

テレビや映画では、コンピュータを使えばどんな難しい問題でもたちどころに解答が出てきますが、現実にはそんなことはありません。コンピュータは命令されたことは超高速に実行してくれますが、自分で解き方を考えることはできないのです。では、誰が解き方を考えているかというと、人間です。人間が考えた解き方を、コンピュータに理解できるような命令の形に分解して、プログラムに書き、それをコンピュータに渡して、初めてコンピュータが動くことができます。

結局、人間が考えなければいけないのだとすると、コンピュータを使う意味は何でしょうか?それは速さや大きさです。人間が手で計算したのでは何千年もかかるような計算も、スーパーコンピュータは一瞬で計算します。人間が一生かかっても覚え切れないような量の知識も、検索システムを使えばたちどころに手に入ります。機械が人間の筋肉を増強するものだとするなら、コンピュータは人間の頭脳を増幅すると言えます。

さて、SFCではコンピュータを活用して、みなさんが知的能力を増幅できるようにしたいと考えています。「情報技術1」と「情報技術2」では、インターネットを利用して情報の発信や処理をするのに欠かせないウェブ技術を学びます。これをSFCの知的共通基盤として、他の分野の勉強や研究に活かせるようになることを目指します。

プログラミングを勉強するもう一つの理由は、論理的思考力を鍛えることです。将来コンピュータ関係の仕事をしないのであれば、別にプログラムが書けなくても困らないと思う人がいるかもしれません。確かに、直接仕事に関係しないかもしれませんが、間接的には関係します。どんな仕事をするにしても、段取りを順序立てて考えることや、他の人に論理的に説明することは必要ですが、人間を相手にしていると少々曖昧でも何となくうまくいったりするので、あまりそのような論理的思考力の練習にはなりません。ところが、コンピュータは人間と違ってまったく融通が効かないので、少しでも順序を間違えたり、論理的におかしな命令を書いたりすると、たちまち動かなくなります。ですから、コンピュータを相手にプログラムを書く練習をすれば、自然と論理的思考力が鍛えられるというわけです。


(President Obama kicks off the Hour of Code 2014 – Code.org)